「登録販売者はやめとけ」と言われるのはなぜ?経験談を交えながら紹介

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登録販売者

登録販売者は一般用医薬品の販売や相談に応じることができる専門資格です。しかし、ネット上では「登録販売者はやめとけ」と言われていることも。登録販売者を目指している方のなかには、悪い評判を聞いて不安になっている方も多いかもしれません。

そこで本記事では、登録販売者として実際に働いていた私の経験談を交えつつ、「登録販売者はやめとけ」と言われている理由について紹介します。登録販売者に興味を持っている方は、ぜひ参考にしてください。

「登録販売者はやめとけ」と言われてしまうのは、さまざまな理由からです。実際に登録販売者として働いていましたが、経験者からするとやめとけと言われるのも無理もないかなぁと思います。ここでは、「登録販売者はやめとけ」と言われる理由について紹介していきます。

登録販売者を目指している人のなかには、「お客さんの健康に役立ちたい」「お客さんの健康を手助けしたい」という方が多いのではないでしょうか。私は登録販売者のパートとして勤務していましたが、実際にはレジ業務がほとんどで、残りは品出し・前出しといった業務が多かったです。

もちろん薬の相談も受けるのですが、人手不足からやらなければならない業務が山ほどあり、なかなか落ち着いて接客できませんでした。社員の仕事ぶりも見てきましたが、売り場づくりや発注といったほかの業務に追われ、薬の接客はお客さんから相談を受けたときのみ、ということがほとんどです。

薬の前で悩んでいるお客さんがいれば、積極的に声かけをおこないたいのですが、ほかの業務に追われてなかなか難しいのが現状。そのため、「思っていた仕事と違う……」と入社後のギャップに苦しむ方が多いと感じています。

推奨販売品とは積極的に売り込むように言われる商品のこと。店舗や勤める企業にもよると思いますが、私が勤めていた店舗では売上目標があり、特定の商品を積極的にすすめるように言われていました。

私の場合は特に個人ノルマなどはなかったですね。ただ、店長や企業によっては、個人の成績表などをつくっているところもあるようなので職場によると思います。

販売ノルマが厳しいところでは、上司からのプレッシャーがつらく、自分で買っているという話も耳にします。ノルマが達成できないプレッシャーから、精神的につらいと感じる方もいるようです。

お客さんの健康に直結する責任重大な薬の接客ですが、忙しさや経験の浅さからうまく対応できず、薬の接客がつらいと感じる方も多いです。

登録販売者になりたての頃は、薬の相談を受けてもうまく対応できないことがしばしば。先輩の登録販売者に相談できれば問題ないのですが、場合によっては先輩が接客中で相談できないことも。実際に私が勤めていたときも、相談できない状況がけっこうな頻度でありました

また、忙しいので薬の接客について教えてもらえることはほとんどなく、ほかの登録販売者の接客の様子を見て学ぶ、ということもできなかったです。責任重大な業務でありながら学ぶ時間がなく、薬の接客に対する不安からつらいと感じる人も多いのだと思います。

「登録販売者になりたてでなにもわからず不安」「薬の接客がつらい」と感じている方は、こちらの記事研修中の登録販売者におすすめの本について紹介しているので、ぜひご一読ください。

私はパートだったので、基本夕方から夜の固定された時間でしか働いていませんでしたが、社員は日によって働く時間がまちまちでした。朝から夜までぶっ通しで働いている日を見ることもあり、1日に13時間働いていることも

私が勤めていた店舗は社員が2人しかいなかったんですよね。だから、片方が休みを取ると片方が通し勤務になります。それが毎月5~6回程度。たまにならいいかもしれませんが、毎月5回も6回もあったらたまったもんじゃないですよね。

ちなみに年末年始とかで連休を社員が取った場合は、片方の社員の通し勤務が3日連続という鬼畜シフトを組んでいることもありました。1日13時間働いてそれを3日連続だなんて、「まじか……」と正直ドン引きだったのですが、ほかの店舗でもそれは横行していた模様。

企業や店舗によっても異なると思いますが、上記のような理由から「やめとけ」と言われているのだと思うと納得です。

登録販売者に限らず、接客業自体がけっこう大変だと感じます。言いがかり、クレーマー、酔っ払い、セクハラを試みる客など、迷惑なお客さんはやっぱりどこにでもいるんですよね。

実際に私が勤めていた店舗でも、上記のような迷惑なお客さんが一定数いました。ほかのパートさんのなかにはお客さんから体を触られた、という方も。そのようなお客さんは一発で出禁にされていたのですが、性懲りもなく来る人もなかにはいるんですよね……。

正直、迷惑なお客さんには「出ていけ」と言いたいのですが、そこは接客業。内心「はよ帰れ」と思いつつも、ときには「いかがいたしましたか?」と対応しないといけません。迷惑なお客さんの対応にストレスを感じることも、「やめとけ」と言われる理由のひとつなのではないかと思います。

「登録販売者はやめとけ」と言われることも多いですが、悪いことばかりでもありません。ここでは登録販売者のよい側面について紹介していきます。

登録販売者資格を持っていると、資格手当が支給されることが多いです。実際に私が働いていた企業でも、正社員は10,000円程度、扶養内だと5,000円程度支給されていました。少しでも収入を増やしたいという方は、登録販売者の資格取得を考えてみるのもよいでしょう。

登録販売者の資格を持っていることで、就職の際に有利に働きやすいこともメリットです。私は腰椎分離症を患っているのですが、それが原因で採用されにくいこともあるんですよね……。

そこで、登録販売者の資格を取得してからドラッグストアに応募したのですが、一つ目の応募で採用してもらうことができました。ドラッグストアの応募はパートでしたが、ドラッグストアを退職後に応募した別の薬局では、正社員の登録販売者として採用してもらえたことも。自身の経験からも、登録販売者の資格は採用に有利に働きやすいと感じています。

現在は退職していますが、登録販売者の資格は一度取得すると失効しないので、また登録販売者として働きたい場合は働くこともできます。ただし、正規の登録販売者が退職する場合は注意が必要です。資格自体はなくならないものの、ブランクを空けすぎると研修中に戻ることがあるのでその点は注意しましょう。

接客は大変なことも多いと先述しましたが、やさしいお客さんやいいお客さんも多いんですよね。迷惑なお客さんもいますがほんの一部です。

商品案内や薬の接客など、誠意を持って対応すると「ありがとう」と言ってもらえることも多く、それはすごく励みになります。接客業ならではのやりがいですね。

私は接客態度には気をつけていてよい方だったと思うのですが、残念ながら職場内でそれで褒められることはあまりありません。が、お客さんはきちんと見てくれているんですよね。「あなたの接客態度は感じがいいわね」と言ってもらえたときは、本当にうれしかったです。

接客業は大変な面もありますが、それと同じくらいやりがいがあるのはよい側面だと感じています。

登録販売者の資格を取得するために勉強したことが、日常でも役立つのはよい側面だと感じています。資格を取得する以前は、市販薬が多すぎてなにがなんだか分からなかったのですが、資格取得後は症状に合わせて選びやすくなりました。

自分だけじゃなくて家族が体調崩したときにも、薬を買ってきてあげられますしね。自分や家族の薬選びにも役立つことは、登録販売者のメリットと言えるでしょう。

人によって得手不得手はあるので、結局は自分で判断するしかないと思います。「接客が本当に嫌い、やりたくない」という方であれば本当につらい仕事でしょうし、「お客さんと話すのが大好き!」という方であれば、感じ方は全然違うものになるでしょう。向き不向きは人それぞれです。

ネット上にはいろんな意見があると思いますが、さまざまな情報を集めた上で最終的に自分で判断されるのがよいかなぁと思います。実際にやってみないと分からないこともあり、不安なことも多いかもしれませんが、やってみて合わなければ転職するのもひとつの方法です。

「やってみたい!」という強い気持ちがあれば挑戦していいと思います。いまどき転職なんて珍しくないですしね。ハローワークや転職エージェントなど無料で使える転職サービスも豊富ですし、やりたいことがあればやるのが一番なのではないでしょうか。

登録販売者は激務であることや、思っていた仕事のイメージと異なる場合もあることから「やめとけ」という声があるのは事実です。しかし、登録販売者にはやりがいもあり、採用の際に有利に働きやすいなど、よい側面があることも事実。

「やめとけ」という声があっても向き不向きは人それぞれです。登録販売者を目指したいという気持ちがあれば目指していいと思います。さまざまな情報を集めた上で自分でしっかりと判断し、後悔しないようにしましょう。

ランサーズでWebライターとして活動中。
研修中の登録販売者としてドラッグストアに勤めていた経験あり。
インド人の恋人がおり、インドに関する情報も発信中。

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