一般用医薬品の販売に必要な登録販売者の資格。登録販売者について知り、合格率や難易度について気になっている方も多いかもしれません。
「登録販売者試験は難しいの?」
「実際に登録販売者試験を受けた感想を知りたい」
「登録販売者試験は独学でも合格できる?」
という疑問を持っている方も多いでしょう。そこで本記事では、登録販売者試験の合格率や難易度、実際に試験を受けた感想などについて紹介していきます。
登録販売者試験の合格率はどれくらい?
登録販売者試験の合格率は40%~50%程度です。過去3年間の全国の受験者数や、合格率をまとめると以下の通り。
年度 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
2023年 | 52,214 | 22,814 | 43.7% |
2022年 | 55,606 | 24,707 | 44.4% |
2021年 | 61,070 | 30,082 | 49.3% |
参考:厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」
約半数の受験者は不合格となっており、決して簡単に受かる試験とはいえません。しかし、実際に試験を受けましたが、きちんと勉強していれば合格できる試験だと感じました。
登録販売者試験はマークシート方式で出題されるため、答えを導きやすかったです。とはいえ細かな部分を問われたり、ややこしい問題もあるため、きちんと理解していなければ答えを導くことはできません。
しっかりと勉強して万全な状態で試験に臨みましたが、それでも「これどっちだけ⋯⋯」と悩むことがけっこうありました。ほとんど対策せずに一夜漬けのような知識で合格することは非常に難しいでしょう。
受験する地域によっても合格率は異なる
登録販売者試験の合格率は受験地域によっても大きく異なります。たとえば、厚生労働省の資料によると、2023年度の試験で一番合格率が高かったのは群馬県の55.2%、一番合格率が低かったのは高知県の21.4%です。
このように合格率に差があるのは、県によって問題が異なることがひとつの要因。受験予定の地域の合格率が低い場合は、試験対策を念入りにおこなっておきましょう。
登録販売者試験の内容とは
ここでは、登録販売者試験の内容について解説していきます。これから登録販売者試験を受けようと考えている方は、大事なポイントなのでしっかり押さえておきましょう。
試験項目
登録販売者試験は範囲が広く、さまざまな内容について問われます。試験項目は以下の通りです。
- 医薬品に共通する特性と基本的な知識
- 人体の働きと医薬品
- 主な医薬品とその作用
- 薬事関係法規・制度
- 医薬品の適正使用・安全対策
主な医薬品とその作用は40問、残りの項目は20問ずつの計120問出題されます。午前に60問、午後に60問とわかれており、午前午後ともに120分以内に解答しなければいけません。
合格基準
登録販売者試験の合格基準は以下の通りです。
- 総出題数に対する正答率が7割以上
- 各試験項目の正答率が35%~40%以上
各試験項目の正答率が35%~40%以上と定められていることに気をつけましょう。たとえ総出題数に対する正答率が7割を超えていたとしても、5つある項目のうちひとつでも35%~40%を下回った場合、不合格となります。苦手分野をつくらずバランスよく点数を取ることが大切です。
登録販売者試験の合格に必要な勉強時間の目安について
登録販売者試験に合格するために必要な勉強時間は、300~400時間程度といわれています。私は当時、試験まで4カ月ありました。だいたい毎日3時間勉強していたので、合格までにかかった総時間は360時間ほど。
人によって必要な勉強時間は異なりますが、上記の時間を目安に1日に必要な勉強時間を割り出すとよいでしょう。
しかし、勉強時間を確保することは重要ですが、300~400時間勉強したからといって必ず合格できるとは限りません。だらだらなんとなく勉強してしまったり、非効率な勉強方法で勉強したりすると合格はなかなか難しいです。単純に勉強時間を確保すればよいというものではなく、効率よく学習をすすめていくことも重要なポイントです。
登録販売者試験は独学で合格できる?
登録販売者試験は独学でも十分に合格を目指せる試験です。私は市販のテキストを用いて独学で勉強して合格しました。
私は昔から勉強がわりと好きな方であり、継続して勉強するのは得意なタイプです。市販薬の成分や作用について興味があったこともあり、長期にわたる試験勉強は苦ではありませんでした。
ただ、「勉強が好きじゃない」「独学だとついついサボってしまう」という方にとっては、モチベーションを維持するのが大変かもしれません。独学にも人によって向き不向きがあります。独学が苦手な方は通信講座を利用するのもひとつの方法です。
通信講座のメリット
多くの通信講座ではわからない点に関して質問できるサービスを導入しています。また、動画を用いた教材や、要点を押さえたテキストなどを利用できるのが通信講座の優れたところ。
独学の場合、分からないことがあれば自身で調べて解決しなくてはいけませんが、質問できる通信講座であれば効率的に勉強を進められます。独学で勉強している方のなかで、「なにから手をつけたらよいかわからない」「解説を読んでもなぜこうなるのかわからない」という方におすすめです。
通信講座のデメリット
通信講座は独学と比較すると費用が高くついてしまうことがデメリットです。独学であれば1万円程度あれば十分に勉強できますが、通信講座にかかる費用は3万円~5万円程度。独学と比べると費用がかなり高くついてしまうため、できるだけ費用を抑えたいという方は独学で勉強した方がよいでしょう。
まとめ
登録販売者試験は楽に受かる試験とはいえません。しかし、きちんと勉強していればそこまで難しい試験ではなく、独学でも十分に合格を目指すことができます。
登録販売者試験の合格基準のひとつには「各試験項目の正答率が35%~40%以上」と定められていることに注意しましょう。各試験項目で安定して点数を取ることが登録販売者試験に合格するために大切です。
独学でも十分に合格を目指せる試験ではありますが、独学だとモチベーションの維持が難しいという方も。独学が合わないと感じている方は、登録販売者の通信講座の利用も検討してみてください。試験までにしっかりと対策し、万全な状態で臨めるようにしましょう。